北関東連続幼女誘拐殺人事件とは1979年以降、栃木県と群馬県で発生している誘拐および殺人事件。
(冤罪が証明された足利事件も含む)

1979年以降、4件の女児誘拐殺人事件と1件の女児失踪事件が栃木県と群馬県の県境半径20キロ以内で発生している。
これら5事件まとめて「北関東連続幼女誘拐殺人事件」とされる。
(足利市内を流れる渡良瀬川周辺で遺体が発見された3事件は「足利連続幼女誘拐殺人事件」とも)


【事件の共通点】
・被害者は4歳から8歳までの児童。
    パチンコ店より誘拐(3件)
    河川敷に遺体放置(3件)
    金曜、土曜、日曜および祝日に犯行(4件)


これら5事件全てにおいて、犯人特定・犯人逮捕がされていない。


唯一、足利事件においてのみ容疑者が特定されたが、あまりにも不審な点が多く、冤罪であったことが確認されている。

2010年、足利事件の再検証を行った最高検察庁は、冤罪にしてもあまりにずさんな、ほぼこじつけのような捜査逮捕であったことを指摘。
さらに、足利事件を含む北関東で起きた事件が同一犯における連続事件の可能性を認めた。
真犯人が逮捕されない今も、再犯の可能性が大きく危惧されている。


【1979年の殺人事件】
・被害者は栃木県足利市の福島万弥ちゃん(5歳)。
自宅近くの神社境内で遊んでいるうちに行方不明となる。
6日後、渡良瀬川近くでリュックサックに詰められ、全裸のまま遺棄されている遺体が発見された。
リュックサックは市内の業者の特殊仕様によるもので数十個しか売られていなかったものである。

【1984年の殺人事件】
・被害者は栃木県足利市の長谷部有美ちゃん(5歳)。
パチンコ店から行方不明となる。
2年後、1986年に自宅から1.7km離れた場所で白骨死体として発見された。

【1987年の殺人事件(群馬小2女児殺害事件) 】
・被害者は群馬県新田郡尾島町(現:太田市)に住む大沢朋子ちゃん(8歳)。
子猫を抱いて自宅近くの尾島公園へ遊びに出かけたまま行方不明になった。
翌年利根川河川敷で白骨死体の一部が発見されている。

【1990年の殺人事件(足利事件)】
・被害者は栃木県足利市の松田真美ちゃん(4歳)。
パチンコ店から行方不明となる。
翌日渡良瀬川河川敷で全裸で遺棄された遺体が発見された。
(1991年、DNA型鑑定結果をもとに同市内に住む当時幼稚園バス運転手だった男性が逮捕。
2000年に無期懲役の判決が確定する。
しかし当時のDNA型鑑定の精度はまだ低く、男性と同じようにDNAが一致するとされる人間が複数いたことが指摘されていたにも関わらず、警察は男性を犯人と断定、起訴。
男性らの訴えにより、2009年に再度鑑定した結果、DNAは一致しなかった。
だが、男性の無実が正式に確定されたのは翌年の2010年になってからである。)

【1996年の失踪事件(太田市パチンコ店女児連れ去り事件)】
(群馬県警による呼称は太田市高林東町地内パチンコ店における幼女略取誘拐容疑事件)
・被害者は群馬県太田市の横山ゆかりちゃん(4歳)。
パチンコ店から行方不明となる。
一連の女児誘拐殺人事件と連れ去りの手口が類似していること、パチンコ店の防犯カメラ映像に映っていた男が、足利事件発生時に目撃された男と似ている点などから関連性が強く疑われている。
尚、当事件には被害者の発見または被疑者の検挙につながる情報に600万円の懸賞金が用意されている。

以下、カメラに撮影されていた映像。



パチンコ店内で遊ぶ女児のあとをついて行くようにウロウロする小柄な男。
シートに座り再三外を指さした後、男は店を出て行ったらしい。その後をついて行くように移動する女児の映像は当時のニュースにも多く使用されたので、覚えていらっしゃる方も多いかと思う。


また、上記の5事件以外にも栃木県と群馬県では1980年代に女児に関する事件が少なくとも2件、男児に関する事件が1件と合計3件の未解決事件が発生している。

【1983年の殺人事件】
・1983年10月19日群馬県桐生市で遺体を発見。(身元不明)

【1985年の失踪事件】
・1985年10月、栃木県日光市で母親の実家に帰省中の3歳女児が長男と長女と釣りで遊んでいる最中に行方不明となった事件。
川は深さ40㎝ほどであり、仮に溺れたにしても人間が流れるほどの水の勢いもないため、容易に発見されると当初は考えられていた。
事故・誘拐双方の線から捜索が行われたが、現在も何の手がかりも発見できていない。

【1987年の誘拐殺人事件】
・1987年9月14日に群馬県高崎市で発生。
被害者は荻原功明君(5歳)。
戦後唯一未解決となった身代金目的の誘拐殺人事件。本件のみ被害者は男の子。
だが身代金2000万円の要求はあったものの、犯人は翌日は敬老の日で金融機関が休みであることを知らなかったらしい。その後の電話で、要求金額が半額の1000万円になったことからも、本当に身代金目的の誘拐だったのかは疑わしい。