457 :本当にあった怖い名無し:2010/08/06(金) 17:00:26 ID:wzjMLvVoP
俺の彼女との話
今俺は大学二年で、彼女は新一年生。
出会いは俺が入っているサークルの新歓コンパで、
彼女の顔は色白で薄くてすごく美人。
それゆえに、最初はサークルの男全員が彼女を狙ってたといっても過言じゃないくらいだったんだが、
彼女はある種の「電波ちゃん」で、最初は興味を持っていた男共も
「俺の担当じゃねえわ」って言って段々離れていった。
どれくらい電波だったかというと
初めて俺と話した一言目が、「私、幽霊とか、いろいろみえるんです。」ってくらい。
俺も「げ、なんだこいつ」って思ってちょっと怯んだが、
話を進めていくうちに、
好きなバンドがすごく似ているということになり、意気投合した。
それからまあそれなりに色々あり、彼女に告白され、付き合うことになった。
その頃には電波は引っ込んでいて
「言い寄ってくるサークルの男がうざいから、変なキャラ作ってたのかなあ」と思った。
一ヶ月位経った今年の6月頃、
手をつなぐようになり、キスをするようになり、セックスもした。
お互い実家住まいだったから、セックスするときはいつも適当なラブホに入っていた。
で、問題はそのラブホについてなんだが、
二度、ラブホのせいで彼女の電波が復活したことがある。
部屋に入るなり、
「あ、ここで誰か死んでるね。」と言い出した。
池袋の北口や西口のホテルは結構やばいっていうのは前から聞いていて、
実際俺も前の彼女が北口のキングってホテルで発狂してしまったという経験もあったから、
あんまり悪い噂の無い東口でホテルをわざわざ選んだのに。
ちなみにジュンク堂近くのティファニーってホテルな。
後日一応俺もそのホテルの事件とかググったけど、
ブランドのティファニーばっかで、あんまり調べ方もわからんかった。
で、まあそんなこと言われると俺も怖いし、
セックスってテンションじゃなくなったんだけど、
「あ、ごめん。私は別にいいんだけど、ここでする?」って彼女が言うのね。
そんなこと言われても俺はマジでビビってたので、
今日は止めとこうっつって、代わりに二人で居酒屋でご飯食べることにしたの。
サークル内の人間関係とかについて話してたんだけど、
その内、また彼女の電波が出てきて、
「最初ね、先輩(俺)も幽霊が見える人なんだろうなって思った。」って言い始めたの。
今さっきあんな怖い思いしたのにあんまり聞きたくなかったんだけど、
興味はあったから「なんで?」って聞くと、彼女が語り始めたの。
ちょっと要約するけど、
「先輩にはなんとなくバリアーみたいなのが張ってあるような感じがするんだよね。
最初は先輩が霊能者だとかすごい人なのかと思ったんだけど、
違うんだって最近わかった。
多分、それは先輩の家族の誰かがやってるんだと思う。
先輩ってさ、人生あんまり躓くことなくなんとなくいつも上手くいってない?
それってね、多分お母さんなのかお父さんなのかわからないけど、
家族の誰かのおかげだと思うよ。
本来多分、先輩はそういうのに弱いはずだから。」
こんなこと言ってた。
いや、俺としては「え?俺の家族に霊能者なんていんの?初耳なんだけど。」
って感じで、
もちろん事実、神社の家系だったり寺に縁あったりするわけじゃない。
まあ、ろくに勉強も苦労もせずに上手いこと生きてきたのは確かなんだけど、そんなこといわれてもねえ。
これは完全にいつもの電波だな、と思って、
「そっか。」 なんつって流してた。
ここまでが一度目の電波の話なんだけど、二回目があって。
459 :本当にあった怖い名無し:2010/08/06(金) 17:14:12 ID:wzjMLvVoP
七月の確か一日だけど、まあその日もセックスすることになったのだが、
雨が降っていてわざわざ東口まで行くのも面倒だから、
学校のすぐ近くにある西口のホテルに行くことになったのね。
この間の電波の一件から、なんとなくホテル選びに神経質になっていた俺は、
前の彼女と来た時に平気だったホテルにしたの。
前の彼女と同じホテルってちょっとどうなの、って思ったけど
怖い思いするのはいやだったし。
で、そこは上の階に時間ごとの貸切の風呂がついてて、
各部屋にはシャワーしかないっていう珍しいホテルなの。ホテル名はプティバリな。
それを聞いて彼女は「えーお風呂入りたい」とか言って
ちょっと不満そうだったんだけど、
となりのホテルも空いてなかったから、しょうがなく入ったの。
で、受付通るところまでは良かったんだけど、エレベーターに乗った瞬間、ちょっと困った顔して
「あー、ここはちょっとイヤだ…」とか言い始めたの。
そんなに風呂入りたいのか、と思って
「じゃあ変える?」って言ったんだけど、
そのときエレベーターが目的の2階について、ドアが開いたわけよ。
そしたら彼女が
「やばいやばい、むりむりむりむり。すぐ戻ろう!」って言うわけ。
なんとなく俺も「あ、いつもの電波じゃね?これ」って気づいて、
怖いからすぐ受付に鍵返したら
「あー、はい、じゃあ返金します。すいませんでしたね。」
とかなんて慣れた感じで返金してくんの。
なんだこれ?と思いながら
受け取って外に出て、彼女と無言で歩いてたの。
「いやー怖かった。なんであんなホテルばっかりなの?池袋って」
って突然彼女が言い始めて、
俺はどうせいつもの電波だから、と思って流して、その日もなんか怖いからセックスは止めて帰ったの。
「別に何してくるってわけじゃないんだけどね。」
なんて別れ際に彼女が言ってた。
460 :本当にあった怖い名無し:2010/08/06(金) 17:18:26 ID:wzjMLvVoP
で、それを昨日思い出して調べたんだけど、これ。
ttp://read2ch.com/r/news/1272330718/
ttp://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100427/crm1004270855005-n1.htm
見つけた瞬間、洒落にならないくらいサブイボたって、逆にそれが怖かった。
的中率は二分の一だからなんともいえないんだけど、彼女、本物かもしれなくて、
だとすれば俺の家族に霊能者っぽい人が居て、
守ってくれてて人生も上手くいってて。
でも、その人が居なくなったら俺は本来幽霊とかに弱いんだって。
それと
「最初に会ったとき、私に付きまとってた変な幽霊が、
先輩というか先輩のバリアに吸い込まれて消えたんだよね。
それで、この人今お祓いしてくれたんだ、と思って『幽霊が見えるんですよ』ってカマかけてみたんだ。
でもなんか最近気づいたんだけど、
多分そのバリアみたいなのって、実はバリアじゃなくて、
先輩のことを守りたい誰かが、
先輩につくはずだった悪いものを全部自分のとこに来るようにしてあるんじゃないかな。」
だってさ。
幽霊ブラックホールらしいっすよ、俺。
今まで肝試しとか、それこそ前カノが発狂したホテルとか、
そういう危ないところ行った時も、全部それが守ってくれてたのかな。
バリアのせいか、おれ自身は霊感なくて分かんないんだけど、
守ってくれてる人って、なんとなくだけど多分、俺のお母さんだと思うんだ。
だからってわけじゃないけど、それこそなんとなく、
今日はお母さんの好きな、レアチーズケーキを買ってきてあげた。