【百物語も】短編怪談大募集!【話が進む】


99 :弁天様の使い :2014/04/26(土)14:04:23 ID:???

場所は伏せられないから最初に言っておく
千葉県柏市から東京上野までの間の常磐線沿線のお話


上野には有名な不忍池の弁天様がおられるが、千葉県柏にも布施弁天という弁天様がいらっしゃる
この二社は古来より強い結びつきがあるとされた
その中の有名な話が『弁天様の使い』
江戸の頃から、白無垢を着た娘だの、純白の蛇だのが不忍池と布施の間を往来しているという

その経路というのは、今のJR常磐線と同じなのだ





100 :弁天様の使い :2014/04/26(土)14:13:13 ID:???
ある日、常磐線を通る貨物車が、何かを撥ねたというので緊急停車した
機関士がすぐさま確認に出ると、線路には純白の大蛇が血を流して横たわっている

機関士は弁天様の使いが白蛇だと知っていたので危機感を覚えたものの、
その時少しばかりダイヤが乱れていたこともあり、機関士は強引に運転を再開した


そこで悲劇は起きた
運転中の機関士の首に『何か』が巻きついたかと思うと、一瞬にして彼の意識を奪った
当然貨物車は暴走、停止信号を無視して脱線した。
更に後続の列車も次々と事故に巻き込まれていき、結局死者160人を出す大惨事となってしまった


 
101 :弁天様の使い :2014/04/26(土)14:22:39 ID:???
これがかの有名な『三河島事故』である


事故後、駅近隣の寺に慰霊観音像が建立されたが、
これは事故の死者だけでなく、弁天様の使いたる白蛇の慰霊も兼ねているという
しかしその後不忍池での霊験話がぴたりと止んでしまったというから、
その影響は大きいものである


更には今でも、霊感ある人が夜の常磐線に乗ると
白無垢の女性や白く細長い影を目撃することがあるという
しかしそれは使い魔として霊験あらたかであった頃の彼の者ではなく、
悔恨と呪怨に満ちた表情を浮かべる魔物と成り果てている


弁天様は財産を司る
もしも彼女への信仰なく、また使い魔たる白蛇の恨みを知り憐れむ事もなく、
常磐線沿線でギャンブルをしようと考えている者は注意してほしい
瞬く間に諭吉が吸われてゆくことだろう